2023/12/01 06:00


20年来の趣味として作ってきた「いろは歌」。今般そのうちの29編を冊子にまとめました。


いろは歌とは、かな文字を重複なく連ねて意味のある歌にしたもの。キザな言い方をすれば、自らに厳しいルールを課して作る四行歌です。感心されることも多いが、声なき声が聞こえない訳でもない。「だから何なの」

まあ、芸術なんてそんなものでしょう。例えばピカソの絵。芭蕉の句。「古池や蛙飛びこむ水の音」。だから何なの。せめて芸術との気概を持って続けることとします。

かな48文字の宇宙に遊ぶ。構想を練り、パズルを作り上げていく。完成時の達成感は大きい。趣味コストは低く、趣味人口は少ない。詰将棋作りと似ているでしょうか。

いろは歌を作り続けるうちに、歌そのものにある種のパワーが宿っていると感じるようになった。「全部」「達成」「満願」などに通ずるおめでたいアートに思えてきた。かなうた--作れば願いが叶う歌。心持ちとしては、札所巡りや写経、千羽鶴などに近いかもしれません。