2021/08/01 06:00


対局者が自ら振り返り綴る自戦記。勝てば自賛、負ければ自虐が増えることは止むを得ません。何せその対局のことを誰よりも思い悩み考え抜いた当事者です。指した将棋を肴に、思う存分個性を発揮し、自己アピールすればいいでしょう。

NHKの将棋テキストには、NHK杯トーナメントの楽しい自戦記を読むことができます。筆が立つ人にはどんどん書いてほしい。いつか自戦記集が編まれることがあれば、ぜひ手元に置きたいですね。

自戦記の面白さはプロやアマ、将棋の強い弱いを問うものではありません。山口瞳や安部譲二、団鬼六は言うに及ばず。文人に限らず、将棋に熱を上げる著名人は皆読ませてくれるでしょう。

私の場合、指すことと同じくらい、否それ以上に書くことに楽しさを感じます。対局を客観的に振り返り、AIに伺いを立てると、さまざまな気づきや驚きがあります。棋力向上にもつながっていると信じたい。自戦記を書く楽しさが広まり、新たなブームになることを密かに夢想しています。